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    百花繚乱!白く鞣した革に咲き乱れる色彩豊かな「浅草文庫」

    東京・浅草、雷門通りと国際通りが交差する“雷門一丁目交差点”に店を構える「浅草文庫」。
    つい立ち寄りたくなる昔ながらの店が多いこの一角で、ディスプレイはもちろん、ガラス越しに、店内に並ぶ色彩豊かな革製品をのぞき見る人が多く見受けられます。

    ――中には、やはり訪日観光客の姿も多い。
    海外でもイタリアンレザーなどが有名ですが、「浅草文庫®」のように、色彩豊かに捺染、精巧に型押しされた革製品は珍しいのだとか。

    これぞ、匠の技の集大成

    1_ 数種類の浅草文庫のアイテムが並ぶ様子

    ブランド名でもある「浅草文庫®」とは、いわゆる本のことではありません。

    栃木レザーと並び、日本でも有数の革の産地・播州姫路で、塗装などをせず、特殊な技術で真っ白に鞣した革“姫路レザー”に色彩豊かな絵柄をあしらい、型押しを施した革、“文庫革”で作られた財布などの革製品を「浅草文庫®」と呼ぶのです。

    2_文庫革のラウンド長財布のアップ
    文庫革で作られたラウンド長財布

    牛革を白く鞣す素材制作。でき上がった白く鞣した革のキャンパスに着物の伝統技法、“型友禅”と“手描き友禅”、そして精巧な金型による型押し作業は一寸の狂いも許されない工程の一つ。

    企業秘密であるUV加工を施し、クロコダイルやオーストリッチなどの高級バッグ専門の縫製工場では、その道約40年の熟練した職人が一つ一つ丁寧に仕上げます。

    3_職人による手描き友禅の様子
    手描き友禅の光景。季節や柄により、
    型押しと手描き友禅の工程順を変える

    手作業の多い制作工程に携わる職人は延べ50人ほど。
    どの工程をとっても、高い技術力を要すことから、生産には2~3か月もかかるのだとか。

    浅草文庫のモノづくり

    4_浅草文庫の工房風景
    温度・湿度が徹底管理された工房

    「浅草文庫」のモノづくりはおもしろい――。
    職人は下っぱとして雑用係から始め、何年もの修行を経て一人前となるのではありません。
    代表的な型友禅の工程では、例えば美大を出てすぐの若い職人が担当すると言い、工房には若い人が目立ちます。

    「「浅草文庫®」は伝統工芸品ではあるけれど、ザ・伝統工芸ではなく、現代にも馴染むモダンな商品を作ることで、技術を後世に伝えて行きたい」

    5_スクリーンで一色ごとに捺染する様子

    機械で簡単にプリントアウトできる時代に、一色ごとに捺染する。
    この伝統工芸に魅力を感じ、アツい想いをもった職人がいるからこそ、浅草文庫では若い職人にも大きな工程を任せているのです。

    型友禅という職人技

    6_各柄、各アイテムのスクリーンが並んでいる棚_
    一つの柄でも商品アイテムごとにスクリーンが用意され、
    どの商品も同じ柄が同じ場所に表示されるよう計算されている

    白く鞣した革への型友禅も、着物と同様、シルクスクリーンを用います。
    スクリーンに白く鞣した革を一寸の狂いもないようセットし、インクを上から下に薄く、均一になるように伸ばします。 次に、スクリーンの絵柄が透ける程度に、余分な塗料を落とすようしごき、最後にズレがないか目視チェック。

    7_一寸のズレもなくスクリーンにセットする光景
    一寸の狂いも許されない、シルクスクリーンにセットする光景

    一つの型で一色刷った後、次の色を次の型で重ねて刷る。
    もちろん染色した部分がすぐに乾くわけではないので、一日に30~40枚ほどを並行して制作するのです。


    革に吸い付きやすく、乾いた後、革を曲げてもひび割れせず、褪色にも強くなるよう研究したというインクは、まるではちみつのように粘度がある分、混ぜるのにも力が要る。

    8_色とりどりのインクたち
    一つとして同じ色のないインクたち

    温度・湿度に大きく影響される革は、乾燥していると約5%縮んでしまうと言い、革の状態を見極めて作業を行うというのだから、まさに職人技です。

    惹きつける「浅草文庫®」の魅力

    9_浅草文庫の一色ごとの捺染
    一色ごとに捺染する色彩豊かな文庫革

    どこか懐かしくも新鮮、色彩豊かに咲き乱れる花菱。
    ただプリントされたものと違い、陰影と立体感があり、絵柄の柔らかさや、その手馴染みのよさが遠くからも見てとれるのが、“文庫革”の最大の特徴。

    10_7つの花が描かれた花菱柄の革
    文庫革の特徴を最大限に活かした、職人泣かせの花菱。
    7つの花が描かれている。

    友人がお会計をする時、めがねを取り出す時、気には留めていないけれども、目に入るのは、そのケース。
    汚れていたり、形が崩れていると、だらしない印象を与えてしまう。

    けれど、日常生活で使うモノだからこそ、見たことのない優美なモノだったらどうでしょう。
    「ちょっと見せてくれない?」
    そんなふうに声をかけてしまうのではないでしょうか。

    11_ラウンド長財布、スマホケース、メガネケースが並ぶ風景
    「浅草文庫®」のラウンド長財布(左)、
    スマホケース(中央)、めがねケース(右)

    手にしてみると、どの商品も物が収まるサイズであることはもちろん、なんだろう、手に馴染む、持ち心地のよさを感じることができる「浅草文庫®」。

    購入する年齢層は、伝統工芸品というのだから50~60代くらいかと思いきや、下は10代後半から上は90歳を越えるほど、千差万別。

    使い始めると、同柄、または敢えて別の柄で、型違いの商品を買う人、目上の方などへのプレゼントする人など、長年の常連さんも多いのだとか。

    まずは自分に一つ、手にしてみてはいかがでしょうか。

    「浅草文庫」は株式会社インクウインクの登録商標です。
    この記事を書いた著者
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    lilimo編集部
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